著作権法35条の改正を提言した文化審議会の検討結果では、複製機器等の普及状況や外国における法制度を踏まえると、授業目的の著作物等の複製・公衆送信のどちらについても補償の必要性が認められるとしつつ、これまで無償で利用できるとしていた行為についてまで補償金の支払い対象にすると教育現場に大きな混乱をもたらすとして、新たな権利制限の対象行為についてのみ補償金の対象とすべきとしています。

 この検討結果については、デジタル化社会が進展する中で、教育利用という公益性のある利用であったとしても、デジタル方式により著作物等が複製され、公衆送信されると違法複製物の作成、拡散の危険性が高まり、権利侵害がより深刻になるおそれがあるとする権利者側の懸念を理解していただいたものと考えています。

 このようなことから、改正著作権法35条における補償金制度の導入については、教育利用という公益的な利用と権利者が被る不利益の調整の結果であると考えています。

 なお、改正著作権法では、補償金の請求については、指定管理団体制度を採用し、文化庁長官が指定した管理団体(本会のことです)を通じてのみ請求することになっています。したがって教育機関については、本会に文化庁長官が認可した補償金の額を支払えば、補償金の支払いは完了したことになります(改正法104条の11、104条の13参照)。