補償金制度利用に関するFAQ

授業目的公衆送信補償金制度のご利用に当たり、主なFAQをご用意致しました。ご参照ください。

補償金制度 よくあるご質問(2021年4月)

1.授業目的公衆送信補償金制度について
2.著作物の利用について
3.運用指針について
4.補償金のお支払い、サンプル調査について

1.授業目的公衆送信補償金制度について

「授業目的公衆送信補償金制度」とはどのような制度ですか
2018年の著作権法改正によって創設された制度です(施行は2020年4月28日)。ICT活用教育での著作物利用の円滑化を図るため、これまで個別に権利者の許諾を得ることが必要だったオンデマンド型の遠隔授業などでの公衆送信についても、教育機関の設置者が補償金をお支払いいただくことで、無許諾で行うことが可能になりました。学校等の教育機関の授業で、予習・復習用に教員が他人の著作物を用いて作成した教材を生徒の端末に送信したり、サーバにアップロードしたりすることなどが、授業の過程で利用するために必要と認められる限度において、個別に権利者の許諾を得ることなく行えるようになります。ただし、必要と認められる限度内の利用であっても、著作権者や著作隣接権者の利益を不当に害することは、この制度の対象外です。
「一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS)は、この補償金を教育機関の設置者からお預かりし、権利者に分配をするために設立された、全国で唯一文化庁長官が指定する団体です。

この制度を理解するためのわかりやすい資料はありますか?
SARTRASのウェブサイトのメニュー「資料」>「学校教育と著作権」に資料をご用意させていただいております。
また、文化庁ウェブサイト「授業目的公衆送信補償金の額の認可について」も合わせてご参照ください。

SARTRASのウェブサイト上にあるSARTRAS作成のPDF資料を一部、教職員向けの研修に使うことは可能ですか。また、その資料をこちらのウェブサイト上にアップすることも可能でしょうか。
ご自由にご利用ください。その際は、出所の明示を兼ねて、SARTRASの名前の記載とSARTRASウェブサイトへのリンクもいただければ幸いです。

2.著作物の利用について

この制度でどのような著作物が利用できるのですか。外国の著作物も対象ですか。
この制度では、国内外のすべての著作物が対象となります。「一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS)に参加していない権利者団体が管理する著作物や権利者団体に所属していない者が権利を有する著作物も対象です。

具体的にどのような利用が可能ですか
利用の詳細については、教育関係者、有識者、権利者で構成する「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」が2021年12月21 日にまとめた「改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)」(以下、運用指針)をご覧ください。
フォーラムのウェブサイト で公開していますのでご覧ください。同フォーラムのウェブサイトで公開しています。
改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)

授業なら、著作物を何の制限もなく自由に使えるのでしょうか
そうではありません。改正著作権法第35条第1項では、「その必要と認められる限度において」と規定されており、客観的に見て授業に必要な部分、部数等に限られますので、著作物の利用にあたっては注意が必要です。また、著作物の種類や用途などから見て「著作権者の利益を不当に害する」行為はこの制度の対象外ですので十分に留意してください(「著作隣接権者」についても同様です)。対象外となる利用は、権利者の許諾を得てください。
「不当に害する」行為に該当するかどうかは、学校等の教育機関で複製(コピー)や公衆送信が行われることによって、現実に市販物の売れ行きが低下したり、将来における著作物の潜在的販路を阻害するか、という点から判断されます。例えば、運用指針では、児童・生徒の全員の購入を想定したドリルやワークブックなどの資料に掲載されている著作物を、それらが掲載されている資料の購入等の代替となる態様で複製や公衆送信することは、制度の対象外としています。
また、学校のウェブサイトやYouTubeなどで、誰でも見られるような方法で著作物を公開することも、この制度の対象外です。

教育委員会が主体となってこの制度を利用して、著作物を公衆送信することはできますか
この制度の対象となる主体は、改正著作権法第35条第1項において「教育を担任する者及び授業を受ける者」と規定されています。教育委員会の組織は、「教育を担任する者及び授業を受ける者」には該当しません。このため、教育委員会が主体となる場合は制度の対象外となり、権利者の許諾を得る必要があります。

具体例に関する相談については、どこにすればいいのでしょうか
改正著作権法第35条の仕組み等については、著作権法の所管官庁である文化庁、あるいは「一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS)のウェブサイトをご覧ください。文化庁のウェブサイト には、制度に関するQ&Aも掲載されています。
制度に関するQ&A
また、教育機関から多く寄せられる質問への回答については、随時SARTRASウェブサイトのFAQに掲載いたしますので、お問い合わせ前にご確認いただければ幸いです。各種の質問は、SARTRASウェブサイトのお問い合わせフォームをご利用ください。
なお、SARTRASを構成する関係の権利者団体においてもご相談をお受けしています。

運用指針で「今後の検討」とされている項目や、記載のない利用、小部分とされていて、具体的にどれだけ使えるかはっきりしないものについてはどのように判断すればよいですか
教育現場では様々な利用方法があると承知しており、運用指針ですべての利用方法について網羅的にお示しすることはできません。今後も「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」で運用指針の検討を継続し、共通認識が得られた内容については随時追加、更新していく予定です。

定期的に家庭向けに作成・配付している「学校便り」に新聞記事や歌詞などの著作物を利用して、メールで在校生の保護者に送信する場合は権利者の許諾が必要ですか。
必要です。この制度の対象となるのは、学校その他の教育機関が授業の過程で行う利用ですので、「学校便り」への著作物利用は対象外です。

学校のウェブサイトへ著作物を掲載する場合、どこまでが権利者の許諾が必要で、どこまでがこの制度の対象なのかがよくわかりません。
一般的には学校のウェブサイトへ誰もが閲覧できるように著作物を掲載することは、目的にかかわらず、著作権法上の「引用」に該当しない限り、権利者の許諾が必要だとお考えください(著作権法上の「引用」に該当する場合は許諾は不要です)。
公開先を、教員が担当または担任する授業の児童・生徒・学生に限定していただくことを前提とした上で、改正著作権法35条の対象となるかどうかにつきましては、改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)をご確認ください。運用指針で認められた範囲内であれば、補償金をお支払いいただくことで、権利者の許諾を得なくても利用することができます。また、このほかのFAQで、よくお問い合わせをいただく場面についての考え方をお示ししておりますのでご確認ください。

担任する学生に対してのみ行う、いわゆるオンデマンド型の遠隔授業か、スタジオ型の遠隔授業(同時配信)で、日本の新聞社の新聞記事に掲載されている記事を映し出す際、その記事の中に写真が使われていて、その写真が海外の通信社から配信を受けている場合、新聞記事に対する補償金をSARTRASにお支払いする他にそれらの通信社の許諾を得る必要があるでしょうか。
この制度は国内外のすべての著作物が対象となりますので、お問い合わせの内容であれば、海外の通信社の許諾を得る必要はなく、補償金をお支払いいただければ問題ありません。

運用指針での著作者の利益を不当に害することになる場合の例として、楽譜等を購入の代替となるような態様で複製や公衆送信することが挙げられています。
例えば、複数の曲が収録された楽譜集の中の一曲に限り、全部を授業のために履修生に公衆送信する場合は、購入の代替となるような態様に該当し、権利者の許諾が必要でしょうか。
一曲だけの利用であっても、もとの楽譜集全体の規模や当該曲の占める割合等によっては、購入の代替となるような態様に該当する可能性があります。著作権者又は発売元の出版社にお問い合わせください。

教科書関連(ここでいう「教科書」は、初等中等教育において当該教育機関で採択している検定教科書のことです)

教科書および指導用教材(紙面・画面・映像・音声)を用いた(紙面や映像等を映す、スライドを映す、音声を聞かせる、音読する)授業を撮影した動画を配信したいのですが、権利者の許諾が必要ですか。できる場合は、何に注意すればよいですか。指導者用デジタル教科書はいかがでしょうか。
著作権法第35条の対象となるのは、授業が行われる単位の児童・生徒に動画を配信する場合に限られます。この制度の下では、授業を撮影した動画に教科書に掲載されている著作物が映ったり、指導用教材の音声や映像等が入ったりしても、通常の場合は大丈夫です。先生が教科書を掲げる、読み上げる、パワーポイントのスライドに埋め込むなど、授業の目的の範囲内であれば利用の方法は問いません。
指導者用デジタル教科書も指導者用デジタル教材も指導用教材の一種ですので、同様の利用方法が可能です。なお、学習者用デジタル教科書については、本来の目的で使用する場合は、この制度による補償金をお支払いいただく対象とはなりません。すでに学習者用デジタル教科書を作成する段階で、補償金が支払われているためです。ただ、その一部を別途抜粋して教材を作成するなど本来の使用方法でない場合は、補償金のお支払いが必要です。

教科書の教師用指導書中の提示用資料や児童生徒配布用資料を用いた授業をオンライン配信する場合は、権利者の許諾が必要ですか。
必要ありません。条件は教科書と同じです。2-7の回答をご覧ください。なお,教師用指導書(付属ディスクを含む)掲載の資料のうち何が児童生徒配布用のものであるかについては,利用規約・使用許諾書等を確認されたり、発行会社へお問合せをしたりしてください。また、音楽の教師用指導書に付属するCDの音源やDVDの動画の利用にあたっては、著作隣接権の利用許諾が必要となる場合があります。発行会社のウェブサイト等を参照されるか、発行会社へのお問い合わせをお願いいたします。

教科書や著作物を用いた教材を印刷して郵送する場合は、権利者の許諾が必要ですか。
授業に必要な教材として、授業目的で著作物を授業に必要と認められる限度で印刷(複製)したものであれば、児童・生徒・学生に郵送しても許諾を得る必要はありません。ただし、市販の教材をコピー・製本して市販の教材と同じような形態で提供することや、市場の売れ行きが低下するような使い方は、「著作権者の利益を不当に害する」場合に該当することがあります。

自分が担任している生徒に限ったオンライン授業の中で、音楽の教科書に掲載されている楽曲の楽譜や歌詞を画面に映し出す場合、著作権者の許諾は必要ですか?
著作権者の許諾を得る必要はありません。生徒さんもお持ちの教科書をオンライン授業の中で先生が画面に示すことは補償金制度の下で可能です。

配信に用いる媒体、配信方法

授業用の動画をYouTubeで配信したいのですが、配信の範囲と著作権の関係を教えてください。
補償金制度の対象範囲内で配信される場合、公開先を、当該授業用動画をアップした先生が担当または担任する授業の児童生徒学生に限定されるような手当が必要です。YouTubeであれば、動画のプライバシーを「限定公開」や「非公開」に設定し、それらに従って運用してください。一般に公開される方法による場合は著作権者の許諾をえることが必要です。ただ、YouTubeのシステムは授業目的公衆送信かどうかを判断する仕組みはありません。このため、機械的に著作権侵害の動画だと判断され、配信・公開できなくなってしまう事例が発生しています。SARTRASでは対応できませんので、別の方法での配信をご検討ください。

学校のホームページで配信したいのですが、配信の範囲と著作権の関係を教えてください。
この制度の対象範囲内で配信される場合、公開先を、教員が担当または担任する授業の児童・生徒・学生に限定することが必要です。例えば、閲覧権限をID、パスワード管理によって付与していただくか、ファイルを暗号化して担当授業を受ける児童・生徒にパスワードを伝えて、それ以外には提示できないようにするなどの対応をしてください。
もし上記のような方法によらず、学校のホームページに単にアップロードするだけで、誰でも視聴やダウンロードできる場合は補償金制度の対象外となります。必要な権利者の許諾を得て行ってください。

授業の様子を録画した映像を児童・生徒のために地域のテレビ局やケーブルテレビで放映してもらう場合も公衆送信にあたると思いますが、権利者の許諾を得ることが必要ですか?
著作権法第34条の「学校教育番組」以外のケースであることを前提に回答しますと、放送の目的が在宅の児童・生徒の学修支援であっても、児童・生徒以外も視聴できる一般向けの放送や有線放送での放映は補償金制度の対象外です。必要な権利者の許諾を得てください。この場合、権利者の許諾を得るのは放送局なのか、教育機関設置者なのかは権利者と良く話し合って決めてください。
なお、一般の放送や有線放送における、生演奏や音楽CDなどでの音楽の利用については、権利者団体と放送局との契約により個別に許諾を得なくても良い場合があります。詳しくは放送局へお尋ねください。

利用の主体

町内にある2つの中学校で協力して動画教材を製作することを計画しています。その時、2つの中学校の同じ教科の先生が協力して製作したものを、それぞれの中学校で自分が担任する生徒に配信して授業を受けさせる場合、権利者の許諾が必要でしょうか。
両中学校において、自分が担任する生徒に配信して授業を受けさせる目的で、各先生が実質的に製作に関与し、協力して製作した教材であれば、権利者の許諾を得なくても、それぞれの先生の担任する生徒に配信することはできます。ただし、製作した教材の中で、教科書・教師用指導書・指導用教材(指導者用デジタル教科書を含む)・生徒用教材に掲載されている著作物を利用する場合は、両方の中学校で本来あるべき態様で購入されている必要があります。なお、教材の製作に関わっていない先生と当該教材を共有する場合は、同じ学校内の先生、別々の学校の先生のいずれの場合でも、権利者の許諾が必要です。
*上記について、二つの学校において同じ検定教科書を採択・使用していることを前提にして、利用する出版物(著作物)ごとに留意点を補足します。
①教科書は、両校の全員に配布(無償給与)されているので、必要と認められる限度内ならば許諾を得なくても利用できます。
②教科書に対応した教師用指導書・指導用教材(指導者用デジタル教科書含む)に掲載されている生徒への配布・提示用資料は、それぞれの学校で当該指導書・教材が購入されている場合は、 必要と認められる限度内ならば許諾を得なくても利用できます 。(それぞれで購入されていない場合、購入していない学校においては運用指針(令和3年度版)に沿ってご利用ください)
③生徒用の教材のうち一人一人が学習のために直接記入する問題集、ドリル、ワークブック、テストペーパー(過去問題集含む)等の資料に掲載されている著作物については、それらが掲載されている資料の購入等の代替となるような態様で利用する場合(例えば生徒各自に配信されるプリントに掲載する等)は、許諾が必要です。
④その他、採択外の教科書等は、小部分ならば許諾を得なくても利用できます。
*教材を製作した先生が、当該授業を担任することが要件となります。実質的に教育委員会や教科研究会が主導して教材を製作して、所属している先生方が利用するような場合は、著作権法第35条の要件を満たさないため、著作権者の許諾が必要です。なお、新型コロナウイルス感染症対策による休校期間の学習のための教育委員会等の組織が主体となった教科書及び教科書に掲載された個々の著作物の利用については、著作権者が特別の配慮をしている場合もありますので、関係の著作権等管理事業者等にお問い合わせください。

教員が参加する学会が主催するオンライン講座等で著作物を利用する場合は、授業目的公衆送信補償金制度の適用はなく、権利者の許諾は必要でしょうか。
運用指針でも、学会は著作権法第35条1項の「学校その他の教育機関」とは位置づけていません。許諾を得てご利用いただければと思います。

動画コンテンツ

授業でテレビ番組を映している様子を動画に録って公衆送信する場合、権利者の許諾は必要ですか?
この制度の対象となるのは「必要と認められる限度」かつ「著作権者の利益を不当に害さない」使用です。通常の場合、テレビ番組を授業に必要な範囲で公衆送信するのであれば、許諾は不要、補償金のお支払いでご利用いただけると考えられます。テレビ番組の全編をサーバ等にアップロードしたい、という場合は、各放送局へお問い合わせください。

映画やテレビドラマなどの市販Blu-rayやDVDを授業用の教材に複製の上取り入れて履修生に対してオンライン授業で公衆送信する場合、権利者の許諾は必要ですか?
もっぱら家庭内での私的な視聴を目的に販売されているそれらのDVD等には、通常はコピーガードがかけられております。お問い合わせの利用は運用指針でも検討中とされています。もし、そのような利用をお考えの場合は、あらかじめ各映画・ビデオ会社までお問い合わせください。

著作権法35条及び運用指針に従いオンライン授業をするにあたり、当該授業の中で教員自身が月額利用している動画配信サービスの動画を教室で流す様子が公衆送信される場合、何か注意しなければならないことがありますか?
動画や音楽等の有料配信サービスを、契約者自身が個人として契約されている場合、個人で楽しむ目的以外でも利用することが可能かどうかは、契約時の条件に拠ることとなります。まずはそれぞれのサービスの利用規約等をご確認の上、サービスの提供会社にお問い合わせください。

著作権法第35条及び運用指針に従いオンライン授業をする場合でも、学校(教員)が授業で使うために購入した視聴覚資料を利用する場合、権利者の許諾が必要でしょうか?
35条及び運用指針の範囲であれば、補償金のお支払いでご利用いただけます。その際、特に、その利用行為によって児童・生徒1人1人が購入することを前提とした商品の市場に悪影響を与えないよう留意する必要があります。例えば、児童生徒用の音声CDが販売されている場合に、指導用音声CDの音源を児童生徒が自由に利用できるようアップロードすることは「著作権者の利益を不当に害する」場合に相当する可能性があります。このような場合を含め、あらかじめ購入時の契約に利用方法の可否が盛り込まれている場合もありますので、それぞれの利用規約をご確認ください。

35条及び運用指針の範囲で著作物を利用した、いわゆるスタジオ型授業の様子を録画した映像を、公衆送信するのではなく、DVDに収め、児童・生徒・学生に配布する場合、権利者の許諾は必要ですか?
著作権法第35条1項や運用指針にしたがって著作物等を利用した授業の様子を録画したDVDであれば、児童・生徒・学生に郵送で配布する場合に権利者の許諾は不要であると考えられます。

第三者の著作権を侵害せずに、ネット上で誰でも閲覧できるよう公開されている第三者のウェブサイトやブログを、オンライン授業中に、Zoom、Teams等の会議システムを使って、学生とリアルタイムで画面共有する場合、権利者の許諾が必要でしょうか?
もともと誰でも閲覧できるものであるとすれば、先生が画面共有するまでもなく履修者ひとりひとりが直接アクセスすれば掲載されている著作物の全部を閲覧できます。その範囲での画面共有であれば権利者の利益を不当に害するとは考えられず、権利者の許諾を得なくても、補償金のお支払いで公衆送信することはできると考えます。

私が担任する園児・児童への授業で、曲に合わせて踊りを教えたいと考えています。一曲全部を利用する場合、補償金の支払いは必要でしょうか。それとも、権利者の許諾が必要でしょうか。
WEB会議によく用いられる同時ストリーミング配信を利用して、担任する園児・児童を対象にリアルタイムで授業をする場合は、補償金のお支払いで一曲全部を使うことができます。ただ、配信を録画し、オンデマンドで見られるようにする場合には、権利者の許諾が必要です。

YouTubeの限定公開で生徒が演奏した合唱の動画をアップをして、本校生徒のみが閲覧可能なパスワードをかけたページにURLのリンクを貼るという運用を考えています。この場合、権利者の許諾は必要でしょうか。
はい、必要となると考えます。
この制度は、「学校その他の教育機関」が授業の過程で行う著作物の利用を対象としたものです。全校生徒を対象に、いつでも自由に著作物が利用されるような場面は対象外です。合唱曲の著作権者の許諾を得ていただければと思います。

自分が担任する児童・生徒に、後日見せるオンライン授業動画を作成したいと考えています。その際、子供に関心を持ってもらうためにアニメ映画やマンガのキャラクターの画像を画面に貼り付けたいと思います。この場合、権利者の許諾が必要ですか。
アニメ映画やマンガ、テレビアニメのキャラクターの利用については、授業の目的に照らして「必要と認められる限度」にはあたらない、と考えるのが権利者側では一般的であるようです。このため、トラブル防止の観点からも、個別に権利者に許諾の要否につきご確認をいただきたく存じます。

著作権法35条の対象で行えるよう改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)に沿ってオンライン授業用の動画を作成します。その中で、授業で教材として用いる出版物の表紙(中身は映しません)の全部を映す場合、表紙も著作物だと思いますが権利者の許諾を得る必要がありますか。
授業の教材として用いる出版物の紹介として用いるのであれば、原則として許諾を得なくてもこの制度の範囲内で全部を映すことができます。ただし、表紙のなかには、キャラクターや肖像、絵画などが含まれているものがあり、複製の態様によっては鑑賞できる品質で提供されることが「著作権者の利益を不当に害する」場合もあります。トラブル防止の観点からも、個別に権利者に許諾の要否につきご確認をいただきたく存じます。

運用指針

児童・生徒が既に購入している直接記入する問題集、ドリル、ワークブック、テストぺーパー(過去問題集を含む)等の資料に掲載されている著作物を問題解説などのためオンライン授業で映すことは権利者の許諾を得る必要がありますか。
生徒等が既に購入しているものを、授業に必要な部分に限って映し出すだけであれば、権利者の許諾を得なくても可能です。

障がいのある児童を放課後に支援する、放課後等デイサービス(児童福祉法第6条)は改正著作権法第35条の対象となる教育機関に該当しますか?
該当すると考えていただいて結構です。

その他

授業で著作物を利用するのにSARTRASの許可を得たいのですが。
改正著作権法第35条の適用範囲内で著作物を授業で利用する場合は、誰の許可も必要ありません。また、SARTRASは補償金の収受、分配を行う団体であり、個別の利用許可を出すことはできません。
ただし、著作物を(遠隔授業合同等以外の方法で)公衆送信する場合は、SARTRASにお申し込みいただいたうえで補償金をお支払いいただくことが必要です

JCOPY(一般社団法人 出版者著作権管理機構)JRRC(公益社団法人日本複製権センター)JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)など著作権を管理する事業者と授業目的公衆送信補償金制度との関係を教えてください。重複することはないのでしょうか?
JCOPYやJRRC等は、改正著作権法第35条では利用できない範囲について、権利者から委託を受けた範囲の利用の許諾、あるいは権利者による許諾(又は事務受託)の窓口となっている著作権等管理事業者です。SARTRASと業務が重複したり、JCOPY、JRRC等との二重払いが生じることはありません。これら管理事業者が著作権を管理、あるいは事務受託をしている著作物等については、それぞれの管理事業者までお問い合わせください。

権利者が「複製、無断使用禁止」と明記してインターネットに公開しているイラストや画像などの著作物を、この制度の運用指針の範囲で利用することは許されるのでしょうか。
イラストや画像などの権利者が、単に「複製、無断使用禁止」と記しているだけの場合、利用者との間で合意があると言えるかどうかは、まだ運用指針では明確にはなっていません。当該権利者にご確認いただければと思います。

最高裁判所が刊行している「最高裁判所民事判例集」や商業誌である「判例時報」等に掲載されている判例ページをPDF化し、履修者限定でウェブサイトにアップする場合、著作権者の許諾は必要ですか。
裁判所の判決、決定、命令及び審判等は、著作権法第13条第3号により、権利の目的となることができない著作物とされていますので、全文であっても用いることができます。一方、判例時報に掲載されているような、研究者の見解を記載した解説記事の場合は、通常の著作物として扱われますので、権利者の許諾が必要な場合があります。改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)に沿ってご利用ください。

私が担任する児童・生徒向けに、絵本やパネルシアターの読み聞かせを撮影した動画を配信し、オンデマンドで見られるようにすることはできますか。できる場合、何に注意すればよろしいですか。
絵本に収録された一つのお話しを授業で児童・生徒に読み聞かせる場合、その全部を読み聞かせることが通例だと思われます。(パネルシアターや紙芝居も同様と考えられます)。しかし、絵本のお話しの絵と文の「すべて」の読み聞かせ動画を、園児・生徒がいつでも何度でも見られる状態でアップすることは著作権者の利益を不当に害する可能性が高く、この制度の対象外となると考えられます。このため、お話しの絵と文の「すべて」の読み聞かせをオンデマンドで配信されたい場合には、権利者の許諾を得てください。

絵本に収録された一つのお話の全部を、ストリーミング配信で児童・生徒に読み聞かせをしたいと思うのですが、可能でしょうか。
初等教育(幼児保育を含む)において、ウェブ会議システムを用いたストリーミング配信で、あなたが担任するクラスの児童・生徒にだけ読み聞かせを行うのであれば、一つのお話の絵と文のすべてを示して読み聞かせることは、制度の対象と考えられます。しかし、生徒がアクセスできるサーバにアップロードしておいたり、添付ファイルで生徒に送信したりすることは、著作権者の利益を不当に害するケースに当たり、権利者の許諾が必要です。

NHKのテレビ番組やラジオ番組をオンライン授業で利用したいと考えています。それには、
① 教員が録画・録音した番組を授業で用いる目的のためにYouTubeへ履修生に限定をしてアップする
② ZOOM等の会議システムを使った授業で、履修生向けに共有したり、背後のモニターで映すものを履修生に視聴させたりする
③ 通信環境の整っていない生徒・学生にDVDに複製して渡す
などの方法が考えられますが、権利者の許諾が必要となりますでしょうか。
NHKの番組のご利用について、詳しくは こちら をご覧ください。

遠隔授業で担任する児童に見てもらうため、授業動画を作成しています。この中である歌の歌詞を使って授業内容を覚えやすくするため替え歌にして授業の中で歌いたいと思っています。私自身がピアノで演奏し、歌います。権利者の許諾は必要でしょうか?
替え歌にする場合は、著作者人格権の観点で、同一性保持権(著作者の意に反する変更、切除その他の改変にあたらないかどうか)の面や、名誉声望を害していないか、という点が問題になる可能性が否定できません。トラブル防止のため、著作者に念のため確認をいただくことをおすすめします。
著作者の了解が得られているのであれば、改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)に沿った範囲であれば権利者の許諾を得ずにご利用いただくことは可能です。その範囲を超える場合は著作権や著作隣接権など必要な権利者の許諾が必要となります。

3.運用指針について

運用指針の策定経緯について教えてください
2018年の著作権法改正により著作権法第35条が改正され、補償金の支払いを条件として、遠隔授業等で著作物が無許諾で利用できることになりました。
教育機関で改正著作権法第35条に基づいて著作物を円滑に利用するには、同条の解釈に関するガイドラインを策定する必要があります。教育関係者、有識者、権利者が一堂に会した「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」が創設され、検討が行われています。
このガイドラインに相当するものとして同フォーラムで運用指針の検討が進められ、2020年12月21日に改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)がまとめられました。

この運用指針の内容について、教育機関にどのような方法で周知されるのでしょうか。
必要な情報については「一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS)のウェブサイト内の著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」のページで公開しております。また、教育機関の設置者や教育機関に対するオンライン説明会等でも運用指針の内容について説明しております。オンライン説明会の動画、資料は こちらのウェブサイト から閲覧、入手できます。
また、今後もSARTRASのウェブサイトで随時、情報を掲載するとともに、制度利用のお申し込みをいただいた教育機関の設置者の方に対しても、メール等で積極的な情報発信を心がけて参ります。

改正著作権法35条運用指針(令和3(2021)年度版)では、「学校その他の教育機関」に該当する例として「図書館」が入っており、根拠法令が図書館法となっています。図書館法では大学図書館は含まれません。小中学校や大学等の学校に設置されている図書館は「学校その他の教育機関」に該当せず、授業を行う場合は権利者の許諾を得る必要があるでしょうか。
教育機関内に設置されている図書館の運営を当該教育機関が行っているのであれば、そこで著作権法第35条を満たす授業が行われる限り、この制度の対象となると考えます。

私は在外教育施設(海外の日本人学校、補習授業校、私立在外教育施設等)の教員をしていますが、私の学校では日本の著作権法の第35条の適用を受けられず、著作権者の許諾を得て授業で利用しなければなりませんか。
海外にある教育機関内で授業のために著作物を利用する場合、その国の著作権法が適用されます。SARTRASでは海外の法律について把握しておりませんので、各教育機関で内容を確認の上、その法律に従ってくださいますよう、お願いいたします。
なお、日本法が適用されるかどうかを簡単にまとめると以下のようになります。
① 【海外→海外】海外の教育機関で、教員が、担任する児童生徒に授業のために著作物を送信する場合(児童生徒から担任の教員に送信する場合も同じ)
日本の法律は適用されませんので、本制度の対象外です。その国の法律が適用されますので、その内容をご確認ください(申し訳ありませんが、本協会では海外の法律は分かりかねます)
② 【日本→海外】日本国内の教育機関の教員が、一時留学等で海外にいる担任する児童生徒に授業のために著作物を送信する(海外から日本国内に送信する場合も同じ)
日本において発信又は受信が行われる場合は、本制度が適用され得ると考えます。

4.補償金のお支払い、サンプル調査について

補償金の支払いは誰が行うのでしょうか。
補償金の支払いは法律上の補償金支払者義務者である教育委員会、学校法人等の「教育機関の設置者」にお願いします。制度を利用される当該年度の4月1日以降に、SARTRASのウェブサイト上から教育機関設置者と各教育機関(学校)の情報をご登録ください。また、当該年度の5月1日以降に教育機関ごとに補償金算定対象者数等を登録すると、補償金額が算出されます。
手続きの詳細は、こちらをご覧ください。

補償金の支払いを終えるまでは、この制度は利用できないのでしょうか
お支払いを終える前でも、制度のご利用は可能です。ただ、2021年4月1日以降制度を利用する場合は補償金の支払いが義務付けられておりますので、お申し込みとお支払いの手続きを早めに進めていただきますようお願いします。2021年度は8月末までにお申し込みをいただき、9月末までにお支払いをいただきたいと考えています。予算などの事情でお支払いが遅れる場合はご相談ください。

著作物の利用実績を把握するためのサンプル調査とはどのように行うのですか
教育機関設置者の皆様にお支払いいただいた補償金は、授業目的公衆送信された著作物の著作権者、著作隣接権者に対して分配されます。SARTRASが補償金を適正に分配するためには、具体的にどの著作物が公衆送信されたのかを把握する必要があります。そのためには、実際に授業で公衆送信した著作物の情報を、教育機関からSARTRASにお知らせいただく必要があります。より多くの情報を得るには、大規模で詳細な調査が必要ですが、その分、教育現場への負担が重くなってしまいます。このため、調査の精密さと教育現場への負担とのバランスを勘案した上で、調査方法、規模などを決めることが必要となります。
2021年度については、約1,000校の教育機関を対象に各校1か月程度の期間のご協力をお願いさせて頂く予定です。調査項目は、「教科等名・授業科目名」「学年」「履修者等の人数(合計)」「著作物の入手・掲載元の分類」「著作物の分類」「著作物の入手・掲載元名(書籍名、アルバム名、サイト名等)」「著作物名・タイトル・見出し」「著作者名・アーティスト名・出演者名・制作者名」、「発行・制作元」、「発行・発売時期」「利用した箇所・分量」、「個別の製品番号など」の報告をいただく予定です。

この制度を利用する場合、補償金の支払うことが必要だと承知しています。万一支払わないと法的にはどのような扱いになるのでしょうか。
この制度を利用した場合、教育機関の設置者は補償金を支払う義務が生じます。ですので、支払わなかった場合は、民法上の債務不履行となり、損害賠償責任を負う場合もありますので、ご注意ください。
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